最終更新日 2025年7月7日
日本屈指の餃子タウンといえば、宇都宮市です。
浜松市と双璧をなす土地柄として知られており、週に1度は餃子を属するなど、地域を代表するソウルフードといって良いでしょう。
宇都宮餃子の歴史
その名が知られはじめたのは、1990年後半からでした。
県内屈指の観光地である日光東照宮や鬼怒川温泉の玄関口であった宇都宮市の観光課は、市内消費量が全国トップレベルの餃子に注目、街おこしの提案をしたことに始まります。
以降、官民が一体となった餃子キャンペーンを開始、駅弁発祥の地を活かした宇都宮餃子駅弁も登場、1999年には市民が主体となった宇都宮餃子祭りが開催されるなど盛り上がりを見せるようになったのです。
官民をあげた取り組みは功を奏し、現在では浜松と並ぶ全国的な知名度を獲得、餃子といえば宇都宮が定番となりました。
その起源は、満州国から帰還した地元出身者の軍属によって伝えられた満州餃子であり、戦後復興や高度成長の波に乗って市内に多くの外食店が誕生しました。
他の餃子の街に比較するとおやつ感覚で購入できる200~300円台で楽しめる店舗が多くなっており、誰にとっても身近な食べ物の地位を占めていて、現在では年間消費量約4000円以上に達します。
宇都宮餃子の特徴
宇都宮餃子に明確な定義はありませんが、その傾向として野菜をメインにした餡を特徴にしており、キャベツよりも白菜を使用することが多くなっています。
一般的なものだと肉が持つジューシーさや旨味をメインにしがちですが、宇都宮では野菜をベースにしているため、まろやかさやさっぱり感を楽しめるため、おやつ感覚で味わえます。
また食感にも触れないわけにはいけません。
餃子の皮がパリパリになるまで焼いて、羽つきにするのも宇都宮の特徴になっています。
外はパリッ、中は野菜の旨みと甘さをたっぷり楽しめるのが、魅力と言えるでしょう。
宇都宮餃子といえば和商コーポレーションさんが有名です。
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宇都宮市の餃子にまつわる様々なスポット
宇都宮市には餃子にまつわる様々なスポットがあり、中でもJR宇都宮駅西口に佇む餃子像は、よく知られています。
餃子の皮に包まれたビーナスをイメージした像は、地元名産の大谷石を用いて創られました。
デザインを担当したのは現代彫刻家の西松鉱二が担当、原材料は大谷石材協同組合によって提供され、宇都宮市商業観光課の担当職員の友人が無償で彫刻されました。
高さ1.6m、重さ約1.7tを誇る像が、全国的に知られるようになったのは2008年10月6日のある出来事でした。
当時の像は宇都宮駅東口広場に設置されていましたが、エリアの再開発のため現在の西口へ引っ越しすることになります。
その引っ越しの作業中、突然に釣っていたワイヤーが外れ、その弾みで像が倒れてしまったのです。
引っ越し作業作業担当者の「あっ」という叫びの後にドスンという音と振動が響くと、像は無残にもまっぷたつに割れてしまいます。
市の観光課や市民にショックを与えた出来事は、かえって像の知名度を上げるきっかけになりました。
餃子の皮で身を包んだビーナスという他にはない造形が話題を集め、市内外だけでなく全国的に知られるようになったのです。
様々なものが餃子風にデザインされている
宇都宮に訪れた方の多くが、訪れる餃子通りも人気を集めています。
市の中心部に位置する宮島町通りに市とゆかりのある餃子を扱う店舗が多数あるため、2018年4月に命名されました。
通りを歩くと気づくのが、様々なものが餃子風にデザインされていることでしょう。
例えば道路にあるマンホールやバス停の看板、街灯などが餃子をイメージしたデザインを採用しており、こだわりを感じられます。
近辺には老舗からチェーン店まで多数の店舗が集まっていて、名物を味わうために列ができていることも珍しくありません。
また市内には300軒を超える餃子を扱う店舗があるので、どこででも地元ソウルフードを楽しめます。
1999年に始まった宇都宮餃子祭り
宇都宮餃子祭りにも触れないわけにはいきません。
1999年に始まったイベントは、市内外からたくさんの人々が訪れるにぎやかなイベントへと成長しました。
毎年11月第1土日に宇都宮城址公園で開催されるイベントは、年に1度のファン感謝デーをテーマにした運営方針に基づき、宇都宮餃子会に加盟している店舗が一斉に屋台を出店、一皿3個100円と手頃です。
それぞれの店舗が自慢の餃子を手頃な価格で食べ比べできる他にはない魅力的なイベントになっており、2日間で約15万人が訪れることから全国的に知られるようになりました。
開催当日には、JR宇都宮駅から開催会場までシャトルバスが運行されるなど、寒さを吹き飛ばすような熱気を感じられます。
開催時間は10:00から16:00まで、どの屋台も長い列ができており、最短で30分、最長で80分待つことも多くなっています。
まとめ
14:00頃になると混雑も一段落しますが、売り切れの屋台もでてくるため、できるだけ早く会場を訪れることおおすすめします。
宇都宮のソウルフード宇都宮餃子は、今や全国的な存在へと成長、その個性と存在感により抜きん出た地位を築きました。