最終更新日 2025年7月7日
▶️障害年金とは?
障害年金は我が国の社会保障制度のひとつで、病気や怪我によって仕事や生活ができなくなってしまった場合について、特別に受給することができる年金のことをいいます。
一般に年金といえば定年退職を迎えてからの老後の金銭的な支えとして支給される老齢年金が知られていますが、障害年金の場合は病気や怪我といったことが理由となっていますので、定年退職をまだ迎えてはいない現役世代であっても受給できるというのが大きな違いとして挙げられます。
障害年金とはひとくちに言っても、実はそのなかでも種類分けをすることができるようになっています。
障害基礎年金は病気や怪我のために初めて医師の診療を受けた際、国民年金に加入していた人が受給することができるものを指しています。
いっぽうの障害厚生年金のほうは、初めて医師の診療を受けたときに厚生年金に加入していた人が受給できるものとなります。
なおこの年金が受給できる条件を満たさない程度の軽い怪我などの場合については、障害手当金と呼ばれる一時金を受け取ることができる可能性があります。
もちろん一時金に過ぎないため、継続的に受給できる年金と比較すれば、そのトータルでの金額ははるかに少なくなってしまいますが、何も救済措置がないよりは意義がある制度といえるでしょう。
▶️障害基礎年金の詳しい要件について
障害基礎年金のくわしい要件ですが、国民年金に加入している間、または20歳前でまだ年金制度に加入していない期間、あるいは60歳以上かつ65歳未満の間に初診日がある病気や怪我について、法令で定められた障害等級表にかかれている障害の状態にあると認められた場合に支給されることになっています。
この場合の初診日というのは、障害の原因となった病気や怪我のために初めて医師または歯科医師の診療を受けた日付のことを指しています。
また障害等級表については1級と2級とがあり、それぞれ障害が発生している部位やその程度によって、どのような級に該当することになるのかが決まります。
たとえば聴覚であれば、両耳の聴力レベルが100デシベル以上であれば1級に該当しますし、反対に90デシベル以上であれば2級相当となります。
下肢の障害であれば両下肢の機能に著しい障害を有しているか、または両下肢を足関節以上で欠いている場合が1級に該当します。
両下肢のすべての指を欠く状態、ひとつの下肢の機能に著しい障害を有する状態、もしくは足関節以上を欠いている状態の場合には2級となります。
このように程度でいえば1級のほうがより重く、2級は1級ほどではないものの生活や仕事に支障が出る障害の程度を持っていることと定義付けてもよいでしょう。
この障害等級表は身体障害者手帳の等級とはまた分類のしかたが異なりますので、たとえ身体障害者手帳のほうは1級として認定されていた場合であったとしても、年金のほうは2級になってしまったりすることもあり得ます。
▶️初診日の前日において保険料納付要件を満たしていること
障害基礎年金を受けるためには、初診日の前日において保険料納付要件を満たしていることも必要です。
ただし初診日が20歳前の年金制度に加入していない期間にある場合には、物理的にも不可能ですので、当然ですが納付の要件はありません。
この保険料納付要件ですが、初診日のある月の前々月までにおける加入期間の3分の2以上の期間の保険料が納付されているか、または正規の手続きによって免除されていることと、初診日において65歳未満で、かつ初診日のある月の前々月までの1年間において保険料の未納がないこととされています。
このような条件を満たした上で支給される年金の金額ですが、これは定期的に見直しがありますので、毎年同じ金額がもらえるとは限りません。
例年の水準からいえば、障害等級が1級の場合には年額で100万円にやや満たない程度、障害等級が2級の場合は年額で80万円に満たない程度の金額と考えればよいでしょう。
この金額の支払いについては、年額で決まっているとはいっても、実際には2か月に1回の割合となっています。
もしも端数計算で1円未満の端数が生じた場合については、あとでまとめて加算されることとなります。
そのほかにも子供の加算額があり、通常の金額に加えて、子供の人数に応じて一定の金額がプラスされます。
この加算額は年金を請求する人の子供が18歳に達する年度の末日まで受給できることになっていますが、子供自身が1級または2級の障害者の場合には20歳まで特別に受け取ることができるしくみです。
受給するための手続きですが、本人または代理人が近くの年金事務所か市区町村の年金窓口に対して請求書や年金手帳、医師の診断書などの必要書類を提出して行うこととなります。
この場合、障害の原因や18歳未満の子供がいるかどうかなどによっても提出しなければならない書類が異なることがあります。
また提出をしたとしてもただちに支給が開始されるわけではなく、要件を満たすかどうかの認定審査を受けた上での支給決定ということになります。
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