最終更新日 2025年7月7日
昨今は日本だけでなく、世界各地で再生可能エネルギーを生み出す技術が開発されています。
これは、地球温暖化の原因物質となっている二酸化炭素を限りなくゼロにするためであり、日本並びにイギリスやフランスでは2025年までに実質ゼロにすると指針表明もなされました。
実質ゼロということは、現段階で90パーセントのシェアとなっている火力発電を全面的に撤廃することを意味しており、それに代わる新しい発電を見つけないといけないわけです。
ドイツやフランス・フィンランドといった環境先進国では、原子力発電と風力を利用されており、限りなくクリーンな方法で電気を生み出しています。
日本では東日本大震災の時、福島原子力発電所がメルトダウンを起こした影響で、現在は国内の約80パーセントの原発が稼動を停止するに至りました。
国内では原発は危険因子をはらんでいると見なされており、稼動をさせることは現時点では不可能です。
地熱発電とは
では2025年までに何を駆使して電力を賄うのか、そのカギを握っているのが地熱です。
地熱発電という装置を聞いたことはありませんか。
日本は環太平洋造山帯の真上に位置しており、年間約1万回もの地震が発生しています。
世界随一の地震大国とも言われますが、その恩恵として温泉が存在するわけです。
地下400メートル付近にある地下水が熱せられており、全国各地のどこに行っても源泉かけ流しの湯を満喫できます。
この地下水を熱する蒸気が地熱であり、約400度もの高温となっているのが特徴です。
千葉県木更津市に本社を構える後藤悟志の「太平エンジニアリング」では、1997年に自社開発・製造を実施したスタイルで、地熱発電装置を生み出しました。
当初は事業者向けの大型設備でしたが、この発電機に着目をした環境省ならびに政府からの依頼で、家庭用コンパクトサイズの装置も2008年に市場に投入をされています。
そこでここでは、この地熱発電装置を生み出した太平エンジニアリングの概要と、発電装置に特徴を詳しく解説をしていきましょう。
太平エンジニアリングとは
太平エンジニアリングは、1977年に千葉県木更津市で創業をしており、当初は大型タンカーに組み込むためのスクラバーという装置を専門に製造をなされていました。
スクラバーとは船舶内の重油を分離して、効率良くエンジンに送るための装置です。
大型タンカーの場合は数か月単位で海上を航行するため、一定量の燃料を再活用しないといけません。
いわば、重油を再生可能エネルギーに変えていた装置ともいえるでしょう。
1980年代後半、中東戦争が勃発して、スエズ運河を航行するタンカーの需要が大きく減少をしました。
太平エンジニアリングでは自社製品の需要が一気になくなり、会社経営を司る新しい装置の開発を余儀なくされたわけです。
そのころ、たびたび取り上げられていたのが温室効果ガスの増大と、地球規模の気温上昇という環境問題でした。
1990年代ではまだ、平均気温が高まりを見せることがありません。
アメリカの気象学の権威は、2000年以降は北極の氷河が溶けだし、平均気温が世界各地で4度も上昇すると警鐘を鳴らされていました。
地表から無限に湧き上がる廃熱を利用することを考えた
現在はその懸念が現実になっていますが、当時は誰も耳を貸さなかったものです。
エンジニアリングでは環境問題を深刻に受け止めており、自社が長年培ってきた再生エネルギー装置を製造する技術を駆使して、発電装置の開発に着手をなされたわけです。
当初は太陽光発電を用いようとされていましたが、ソーラーパネルや蓄電池は大変コストが掛かる製品で、見送られました。
目を付けられたのは地熱であり、地表から無限に湧き上がる廃熱を利用することを考えたというわけです。
今では事業所はもちろんのこと、一般家庭でもこの装置を設置して、給湯システムも同時に駆動されるようになっています。
本体内に備えているタービンは地熱エネルギーで駆動をしており、一般的な4人家族であれば毎日400kwhもの電気を生み出すことも可能です。
当初は自身の家庭でしか利用をしない電気だけを生み出す装置でした。
太平エンジニアリングでは改良を重ね、蓄電池を備えることで余剰電力を蓄えることもできるようにしました。
昨今は巨大地震や台風が相次いでおり、防災意識を高く持たなくてはいけません。
電気はわれわれの生活の基盤を支えており、停電になったら日常生活を円滑に推し進めることも不可能です。
地熱発電に蓄電池をプラスアルファすることで、非常電源を確保することも可能になりました。
まとめ
太平エンジニアリングの発電ユニットは政府と環境省の認可を得ており、新しく導入する時は自治体から補助金を受け取ることも可能です。
再生可能エネルギー装置を各家庭や企業で備えることは、地球環境を守ると同時に、エネルギーを自給自足して社会から自立した生活を推し進めることもできます。
その装置をいち早く開発した企業がエンジニアリングで、世界が今では注目をしているところです。